推薦本:『日本人はとても素敵だった』(桜の花出版)

「戦前の日本はね…」

私は明治生まれの祖父母にとてもかわいがられて育ちましたが、こんなふうに懐かしんで祖父母がかつての日本の姿を語ってくれたことは、一度もありません。

おそらく先の戦争での敗戦と、その後のGHQによる統治の影響で、当時の日本人はみな「戦前の日本のすべてが悪かった」と勘違いし、口をつぐんでしまったのでしょう。

戦前の日本って、本当はどんな国だったんだろう?
そこに生きていた人たちは、何を考え、どんな日々を送っていたんだろう?
私はずっとそんな疑問を抱いてきました。

その疑問を解いてくれたのが、この本です。
かつての日本人は、こんなに素敵だった…!
そして、その日本人に、日本という国に、これほどの思いを寄せて くれる人たちがいる…!!
このことを、私たち日本人は知らなければいけないと思うんです。

この本を読めば、東日本大震災に際し、なぜ台湾の人々が天文学的な数字にのぼる莫大な支援を送ってくれたのか、その秘密がわかります。そして台湾の人々は、支援を送ってくれただけでなく、2011年暮れに新聞社が実施した「この一年、あなたが最も幸せを感じた出来事は?」というアンケートで、“日本への義援金が世界一になったこと”を1位に選んでくれたのです。

私たちが台湾を訪れ、街行く人たちに「ありがとう、ありがとう」と伝えると、逆に台湾の人たちから感謝されたり、とても親切にされました。「なぜそんなに感謝してくれるの? なぜそんなに親切にしてくれるの?」と問うと、台湾の人たちはみな同じ答えを返してくれます。

「これはね、あなたたち日本人が私たち台湾人に教えてくれたことだよ」

戦後70年が経つ今でも、台湾には「リップンチェンシン」という言葉があるそうです。漢字で「日本精神」と書きます。「あなたにはリップンチェンシンがあるね」と言われることが、台湾では最上の褒め言葉として受け取られます。

「あなたにはリップンチェンシンがあるね」とは、こんな意味だそうです。

「あなたは、勤勉で、誠実で、親切だね。そして責任感があって、自分の仕事に誇りを持っているね。さらに“自分さえよければ”とか“今さえよければ”じゃなく、みんなのこと、次の世代のことが考えられる人だね」

つまり、「あなたにはリップンチェンシンがあるね」とは、「人として最高の美徳が身についているね」という意味なんです。私たち日本人は、台湾の人々と手に手をたずさえて、この日本精神を継承し、次の世代に受け継いでいく使命がある!この本を読めば、そんな日本人の矜持を取り戻すことができるでしょう。

ちなみに、著者の楊 素秋さんは、台湾と日本を「二つの祖国」と表現していらっしゃいます。そして「2つの祖国を結ぶ懸け橋の、釘1本になりたい」というのが、彼女のささやかな願いなのです。

私たちも、「懸け橋になる」なんていう大それたことはできなくても、その懸け橋の「釘1本」になら、なれるんじゃないでしょうか。自分の置かれた場で、できることを一つ一つやっていこう!そんな前向きな気持ちにしてくれる本です。

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