意外に知られていない江戸時代の日本

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江戸時代
博多の歴女 誕生秘話♪

(2009年6月12日のブログ記事より)

ひすいこたろうさんのメルマガ 『名言セラピー』 に載せていただいてから、このブログを読んでくださる方が増えて、とても嬉しいです音譜

 

最近、仕事を通して知り合う方々が、

 

「白駒さんは “歴女” なんでしょ?」

 

なんて言ってくださるので、初対面なのに、出会って挨拶を交わした瞬間から、距離がグッと縮まる感じで、まるで昔からの友だちのようにすぐに打ち解けられますニコニコ

 

今まで、『歴史オタク』 と思われるのがイヤで、あんまり人に話したことはなかったのですが、なんかひすいさんとの出会いで、自分の中の歴史ブーム&日本ブームが再燃してしまいましたニコニコ

 

そんな博多の歴女  Hitomi-MaZenda  が、なぜ歴史マニアになったのか、そのきっかけをお話ししようと思います。

 

それは、高校一年生の時の、ある日の日本史の授業でのことでした。

 

江戸幕府が、度重なる倹約令を出していた…

というくだりで、先生が衝撃のひとことをおっしゃったんです!!

 

あ、倹約令って、幕府がお百姓さんたちに対して

おふれを出して、

 

やれ

「芝居に行くな」

「着物は絹じゃなく木綿を着なさい」

 

などと日常生活を事細かに規制したのです。

 

江戸時代って、この倹約令の影響で、庶民は地味で質素な生活を強要されていた、しかも五人組の制度で連帯責任を問われるから、みんな他人の目を気にして、びくびくしながら生きていた…

 

っていうイメージがないですか?

 

でも、日本史の先生は、こうおっしゃったんです。

 

「子どもが早寝してたら、親は 『早く寝なさい』 なんて

言わないよね?

遅くまで起きてるから、『早く寝なさい』 って注意

するんだよね?

だったら、この倹約令も同じなんじゃないかな。」

 

そっかぁ…きっと庶民はお芝居に行ってたんだ、たまには絹の着物も着てたんだ!!

 

そう思ったら、江戸時代の印象がガラーッと変わりました↑↑

 

庶民は、細々とした日常を送りながらも、想像以上に生き生きと “晴れの日” を楽しんでいたに違いありません音譜

 

それから、私には一つのクセがつきました。

 

事実を鵜呑みにするのでなく、事実に対して、

「それって、どういうことなんだろう?」

と考えるようになったのです。

 

こうやって考えることで、物事の本質に少し近づけるような気がしました。

 

さらに、もともと想像(妄想?)力が豊かなため、時空を超えて、歴史上の人物たちと対話するのが趣味になっていったのですニコニコ

 

高校の時の日本史の藤村先生、素晴らしい気づきを与えてくださって、ありがとうございました音譜


粋って・・・☆彡

(2011年7月17日のブログ記事より)

 

このブログの中で、「“人生に悩んだら日本史に聞こう ~幸せの種は歴史の中にある” の29のエピソードのうち、どれが一番好きですか?」 というアンケートをやっています。

 

予想通り、伊能忠敬とトルコの話が常に1位・2位を争っていますが、私にとって、暫定3位が、とても意外なんです。

 

江戸っ子たちの粋な生き方を提唱した、「正しいか正しくないかではなく、楽しいか楽しくないかでもなく」 が暫定3位なんですよニコニコ

 

この話は、誰か特別な人を取り上げたわけではないので、「感動」 という感じではないと思うのですが、古くて新しい 「粋」 という価値観は、私たちのDNAにしっくりくるはずなので、共感してくださる方が多いのでしょうね♡

 

幼い頃、チャキチャキの江戸っ子である祖母から、「お前、粋なことをするね~」 と言われるのが最上の褒め言葉であり、逆に 「ひとみは本当に野暮天(やぼてん)なんだから」 と言われると、人間失格の烙印を押されたような気がして、相当凹みました((+_+))

 

私にとっては、「粋か野暮か」 という価値観はごく普通だったのですが(…といっても、「粋 に生きる」 ってすごく難しくて、粋がしみついてる江戸っ子のおばあちゃんにいつも脱帽でした)、学校に行くと、みんなテストの点やかけっこの早さを競っている。

 

(ちなみに、自分で言うのもなんですが、私は小中学生の頃、成績は抜群だったのですが、成績がいいからといって褒められたことは一度もありません。)

 

“粋” は、“洗練” という言葉に置き換えられると思うのですが、成績や能力でなく、江戸時代のように 「どれだけ粋か」 を競う社会が復活すればいいのになぁ~と思いながら、あの原稿を書かせていただきましたニコニコ

 

実は今回、ビッグニュースがありまして…

月に一度、産経新聞にコラムを書かせていただくことになったのです!!

 

それで、先日、第一回の原稿を書いて新聞社に送ったのですが、テーマを何にするか迷った挙句、私の原点である “粋” にしました。

 

 

いつ掲載されるかは未定ですが、今月中に載せていただければ、31日(日)の福岡講縁会に来てくださった方にお配りしますので、楽しみにいらしてくださいね音譜

 

このブログでも、「これって、粋だねぇ音譜」 と思ったエピソードがあれば、その都度書かせていただこうと思っています。

 

今回は、『ちょっといい話100選』 という本に載っていた素敵なエピソードをご紹介しますね。

 

2000年7月4日。

 

20世紀最後のアメリカ独立記念日を祝う洋上式典に参加するために、ニューヨーク港には世界各国の帆船や軍艦が集まっていました。

 

その翌日、ちょっとして事故が起こります。

 

イギリスの誇る豪華客船 ・ クィーンエリザベスⅡ世号が、日本の海上自衛隊の自衛艦 ・ かしまの船首に接触してしまったのです。

 

すぐさまクィーンエリザベスⅡ世号の船長からかしまの艦長に謝罪のメッセージが届きました。

 

それに対するかしまからの返答が、粋をきわめているんですよニコニコ

 

「幸いにして損傷も軽く、特に気にしてはおりません。

それよりも、女王陛下にキスされて光栄に思っております。」

 

 

日本人は、欧米人に比べると、ユーモアのセンスに欠けると言われますが、この返答、Good job 音譜

 

ユーモアのセンス、そして相手の心に負担をかけない思いやり…これぞ “粋” の真骨頂ですね!!


江戸の繁盛しぐさ

(2012年10月18日のブログ記事より)

 

『致知』 3月号の特集記事で取り上げていただいた影響でしょうか、近ごろは経営者の方々の前で講演させていただく機会が増えました。

 

もちろん私がお伝えしたい基本のコンセプトは、どなたを前にしても変わらないのですが、経営者の方々にとって大きなヒントになるのではないかと思い、意識的に “江戸しぐさ” をご紹介しています。

 

江戸しぐさとは、将軍家ご用達の商人のトップたちが、江戸の町が平和で反映し続けるように、どういう心映えでどのように生きていったらいいのかを考え、それを表現していったものです。

 

ネットで 「江戸しぐさ」 を検索すると、興味深い記事がたくさん見つかりますが、単なるマナーとして捉えているものが多くて、ずっと違和感を感じていたんですよね。

 

私の祖母は、明治生まれのチャキチャキの江戸っ子で、おそらく江戸しぐさを体現していた最後の世代だと思うのですが、江戸しぐさって、単なるマナーでなく、生活信条というか、おばあちゃんの生き方そのものだったような気がします。

 

ここ数年(入院生活による長い中断はありましたが)、江戸しぐさの第一人者・越川 禮子先生や、陽明学の橘 一徳先生から直接教えを受けるようになって、その思いは確信に変わったわけですが、近ごろは、もしかしたらそれ以上のものかもしれないと考えるようになりました。

 

江戸時代の商人たちの生活信条や生き方の極意を超えている…

 

それはどういうことなのかというと、「和を以て貴し」 としてきた日本文化の集大成であり、日本の歴史の叡智がそこに詰まっているとういうことです。

 

 

武士には武士の道があり、商人には商人の道が、職人には職人の道が、農民には農民の道がある…

 

それぞれ与えられているステージが違いますから、表に現れるカタチは違うのですが、それぞれの道を貫く 「芯」 が共通であることに気づいた時、日本人、日本文化、日本の歴史がますます好きになりました音譜

 

「すべての秘密は江戸にあった」

 

人口も少なく天然資源にも恵まれないこの国が、なぜ米英と互角に戦えたのか…

戦後、GHQが徹底的に調査した結果、導き出した結論がこれでした。

 

「江戸時代の日本が理想です」

国民の幸福度の向上を国の一大方針に掲げたブータンの前国王が言っていたのが、この言葉です。

 

戦後、私たちは物質的にこんなに豊かになったのに、幸せを感じられなくなってしまった…

その理由の一端が、江戸時代をきちんと分析できていないことにあるのではないかと思います。

 

まだまだ勉強中の身ではありますが、みんなの幸せのために、これからもっともっと、江戸の繁盛しぐさを発信していきたいと思いますニコニコ


江戸商人の心意気♪

(2012年12月3日のブログ記事より)

ブログやFacebookにいつもたくさんのコメントやメッセージ有り難うございます!!

 

お一人お一人にお返事したいのですが、いま来年の出版をめざし原稿を書いていて、なかなかまとまった時間をとれずにいて、皆さまにとても失礼なことをしてしまっています(;し;)

 

本当にすみません(;し;)

 

 

先週末は、越川 禮子先生から江戸講のお話を伺ったのですが、江戸っ子の心意気にしびれましたニコニコ

 

 

江戸講というのは、会員制のクラブのようなもので、江戸の商人たちは、みんなどこかの講に属し、勉強会を開いたり、その地域で困ったことがあると、講の中で手立てを考え実行することで、解決を図っていました。

 

 

富士講、頼母子(たのもし)講、オランダ講、姉さま人形講など、実に興味深い講が数多くあるのですが、今回、越川先生が詳しく話してくださったのは、「べからず講」でした。

 

「べからず」と聞くと、「これをしたらダメ」と、強い口調で禁止されたような印象を受けますが、自立した大人の生き方を目指した商人たちにとって、「べからず」というのは、「することは恥ずかしい」という意味だったそうです。

 

つまり、商人たちは、侍のように決めつけるのではなく、世界一の江戸という町を一人一人が担っているんだという自覚を促し、誇りを育んでいったわけです。

 

もう、内容を聞く前に、これを知っただけでワクワクしてきますねニコニコ

 

もちろん内容も、粋なんです。

 

いくつか特におもしろいと思ったものをご紹介しますね。

 

①江戸商人は、「こんなはずでなかった」と言うべからず。

江戸商人は、「まさかこんなことが起こるとは」というべからず。

 

災害やトラブルに見舞われた時、責任者の口からよくこういう言葉を聞きますよね。

「想定外」っていうのも、同じことですね。

 

これらの言葉って、本人は自己弁護のつもりなんで言っているんでしょうが、逆に「プロとしてどうなの!?」って思ってしまうし、何よりも、そんなことが予測できなかった自分を恥じていない、開き直っているということが、腹立たしいですよね。

 

でもね、江戸の商人は、「ロクを利かす」と言って、みんな競って第六感=直感力を磨いていったのです。

 

ロクが利いていれば、不測の事態にも対応できるというものです。

現代社会は、科学に頼りすぎていて、数字に表れない部分をおろそかにしていることが、不測の事態に対応できない理由の一つでもあるような気がします。

 

②江戸商人は、長者に手紙を書くべからず。

 

小学生の時に、「先生、毎日暑い日が続きますが、お元気でお過ごしですか?」という暑中お見舞いを担任の先生に書いていたら、その葉書を見たおばあちゃんが、「“か”をとりなさい」と言ったので、びっくりしたことがあるんです。

 

理由をきいたら、目上の人に返事を催促するような書き方をするのは、野暮だ…って。

 

「じゃあなんて書いたらいいの?」 ときたら、

「“お元気でお過ごしのことと思います”にしなさい。」と、おばあちゃんは教えてくれました。

 

ちゃんとした用事があるわけでもなのに、単なる挨拶状で相手に返事を書かせるのは、相手の時間を奪う泥棒と一緒だよ…というのが、おばあちゃんの真意なのですが、これは江戸しぐさから来ていたのですね。

 

③江戸商人は、人を紹介するべからず。

 

これは、えっ? って思うかもしれませんが、「むやみに紹介するもんじゃないよ」ってことですね。

だって、誰かの紹介で出会った人は無下にできませんから、へんな人を紹介すれば、相手にご迷惑をおかけしてしまいますし、自分にとっても恥になりますよね。

 

紹介するのは、自分と同等かそれ以上の人ですよ…っていう意味なんですね。

 

いかがですか、皆さま!?

江戸しぐさを実践していけば、達人の生き方ができちゃいますねニコニコ

続きは、また時間が取れた時に…。


江戸時代がおもしろい☆

(2013年12月2日のブログ記事より)

今週の土曜日(7日)は、致知出版の藤尾社長をお招きしての講演会、そして日曜日(8日)は、愛知県豊田市のeco-Tさんで、先人から学ぶ「これからの持続可能な社会」について講演させていただきます。

 

実は、今、この講演に備えて、猛勉強中です( *´艸`)

 

素敵なご縁をいただき、10年ほど前に福岡で行われた殿様サミットの講演録が手に入ったのですが、それがおもしろい…のなんのって…!!

 

 

徳川家、前田家、島津家、上杉家(米沢)、酒井家(庄内)、牧野家(長岡)、そして立花家(柳川)のお殿様の末裔の方々が、経済、環境、教育など多岐にわたって、江戸時代の真実を語ってくださっています。

 

今までも江戸時代は大変興味深いと思っていましたが、想像を超えるおもしろさですニコニコ

 

九州国立博物館で開催中の「尾張徳川家の至宝」展も、いよいよ今週末で終わり…なんとか時間をやりくりして行きたいなぁ音譜

 

http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s33.html


教育の原点

(2014年1月14日のブログ記事より)

 

皆さまは3連休、いかがお過ごしでしたか?

おかげさまで、私は大変充実した3日間を過ごさせていただきました。

 

11日(土)は、東京・府中で、読書普及協会さん主催の新春開運堂、12日(日)は永業塾を主宰していらっしゃる中村 信仁さんとのコラボ講演、これは、私にとって宮崎で初めての講演会でした。

 

両日とも、主催者さんやスタッフの方々の思いが伝わる、温かいイベントで、参加できて本当に良かった…というのが正直な気持ちです。

 

そして、3連休の最終日。

 

13日の成人の日は、尊敬する井口潔(いのくち きよし)先生が理事長を務めていらっしゃるヒトの教育の会の年に一度の大イベント、ヒトの教育フォーラム『科学の光で見直す伝統教育の魅力』を受講してきました。

 

井口先生のお話や、井口メソッドを実践している教育者の皆さまの発表も素晴らしかったのですが、今回、私にとっても最高の学びは、“子供と声に出して読みたい『論語』百章”(致知出版社)の著者・岩越豊雄先生のご講演でした。

 

私は、近現代史に関する本を出版することになり、明治以降の日本の歴史を調べてきたのですが、日本の近現代史というのは奇跡の連続です。

 

その最たるものが、明治維新であり、戦後復興であったと思います。

 

特に幕末から明治にかけての日本のいじらしさを思うと、私は涙が出てくるんです。

あれだけの国難を乗り切れたのは、優れた人材が日本中にいたからだと思うのですが、その優れた人材を育てたのが、江戸時代末期の教育制度だったわけです。

 

江戸時代末期にあった寺子屋の数は、なんと現代の小学校の数とほぼ一致するそうです。

今のように出世のために勉強するのでなく、純粋に学問すること、自分を高めることに喜びを見い出していたのが、江戸時代末期の日本人だったんじゃないでしょうか。

 

その寺子屋では、師匠が子どもたちに読み書きそろばんを教えるのですが、読み書きの教材になったのが、『論語』や『小学』です。

 

『論語』とは、孔子の教えですが、実は孔子自らが本を書いたのではなく、弟子たちが孔子の教えをまとめたのです。

 

今回、岩越先生のお話の中に、「これぞ教育の原点!」と唸りたくなるような事例がありました。

 

孔子は、仁・義・礼・智・信といった、人が生きる上で大切なものを弟子に説いたのですが、ある日、弟子たちが、「孝とはどういうことを言うのですか」と尋ねたそうです。

 

すると、孔子は、通り一遍な説明ではなく、弟子ひとりひとりに応じた説明を与えたというんですね。

 

例えば、身体が弱い弟子には、

「あなたが病気になったらご両親は心配する。だから自分の身体を大事にすることが孝だよ」

 

別の弟子には、「親を養うことが孝であると思っている人が多いけれど、親を養うだけなら犬や馬でもやっている。養うだけでなく、敬わないとね」

 

また別の弟子は、よく孝行しているけれど、いつも表情がかたく、しかめっ面をしていたそう。

その人には、「笑顔で実践しようよ。それが孝だよ」

 

こんなぐあいに、「孝」とは何かを説明しているのだそうです。

 

その人に合わせて、身近な事例で崇高な教えを説く…。

これこそ教育の原点ですよね。

 

当たり前のように思えるけれど、なかなか出来ないことだと思います。

たぶん日本史上、それが最も得意だったのは、吉田松陰かもしれません。

 

今月は、学校関係の方々やPTAの方を対象にお話しする機会があるので、こんなエッセンスも伝えられたらいいなぁと思います。

 

朝夕の冷え込みが一段と増してまいりましたね。

皆さま、お風邪などめしませんように、ご自愛くださいね♡


江戸時代の「お年寄りの評価のポイント」とは・・・

(2017年4月27日のブログ記事より)

 

昨日(2017年4月26日)は、福岡県うきは市の市民大学開講式にお招きいただき、記念講演をさせていただきました。

 

どこの地域にも、私を手放し公(こう)に生きた先人たちがいます。

 

うきは市の長野水神社(ながのすいじんじゃ)には、5名の庄屋さんの御霊が祀られています。

 

実はうきは市は筑後川の流域にありながら、川に並行して聳え立つ耳納(みのう)連山の影響で、土地が高く、川から水を引くのが困難でした。窮乏する農民たちを見かねた5名の庄屋さんが、江戸時代に私財を投げ打ち、用水路を築いたのです。

 

私は子どもがまだ幼かった頃、よくうきはに川遊びに行ったり、果物狩りに出かけましたが、うきはを愛し人生を捧げた先人たちのおかげで、私たちは今、豊かな自然の恩恵を受けることができているのですね。そのことを思うと、感謝の念がさらに深まり、身の引き締まる思いがします。

 

うきは市民大学は、今年で5年目だそうですが、悪天候の中あつまってくださった方々の中には、5年間ずっと受講していらっしゃる方も多く、その向学心には頭が下がります。

 

江戸時代、お年寄りの評価のポイントが3点あったそうです。

 

①若者をいかに笑わせたか

②若者をいかに立てたか

③若者にどれだけ歴史や文化や知恵を伝承したか

 

市民大学の意義も、そのあたりにあるのかもしれませんね。

受講者の皆様が、ご家庭や地域で他の皆様と学びを分かち合い、深めていただけたら最高ですね!!


時代や国によって変わる価値観
粋をきわめる♪
(2009年6月5日のブログ記事より)

 

江戸っ子で明治生まれの祖母から、

 

「おまえは野暮天だね~」

 

と言われたら、『人間失格』 の烙印を押されたみたいで、

一番ショックな言葉でした( ;∀;)

 

昭和の頃、とかく日本人は、

 

「正しいか間違っているか」

 

で物事を判断していましたよね。

 

でもね、この価値観で物事を判断するのって、すごく危険だと思うんです((+_+))

 

例えば…結婚している人が恋愛することって、どうなんだろう?

 

日本では、“不倫” と後ろ指を指されるけど、

法律で処罰されたりはしないですよね。

 

イスラム教の国では、“ムチ打ち100回” なんて刑を受けちゃったりします。

 

でも、アフリカのどこかの国では、

結婚している女性が、気立てのいい独身女性に向かって、

 

「あなたは本当にいい娘だから、うちのだんなのお嫁さんになるといいよ」

 

とかなんとか言っちゃって、男性1人と女性5人が、一つ屋根の下、とってもハッピーに暮らしている…なんてザラだそうです。

 

同じ日本でも、わたしが大好きな万葉の世界では、女性が財産権を相続していたため、現代社会より女性が自立していたんでしょうね、女性にも自由恋愛が認められていました。

 

皆さんが想像する 「昔の日本=一夫多妻制」 は、

『源氏物語』 に代表される平安時代のこと。

 

それ以前は、多夫多妻だったというから、驚きですよね!!

 

何が言いたいのかというと…「物事を 『善悪』 で判断するのって、

地域や文化や時代の影響を受けるから、その価値観がすべてだと

思い込むのは、とっても危険なんじゃないか」 ということなんです。

 

平成に入ると、斎藤 一人さんに代表される考え方、

「正しい方」 を選択するのではなく、

「楽しい方」 を選択しよう

という、新しい価値観が生まれました。

 

でも、これとて、かなり危険だと思います。

 

だって、例えばお酒の席で、

みんなが 「楽しければいい」 と思って飲み続けたら、

仲間や周りの人の中に、いやな思いをする人が出てくるかもしれないでしょ?

 

いくら自分たちが楽しくても、人に迷惑をかけて、いいはずがありません。

 

じゃあ、これからの時代の価値観は…?

 

これ、わたしからの提案ですが、

 

「粋(いき)か野暮か」

 

という価値観がいいんじゃないかな。

 

だってね、さっきのお酒の席の話に例えれば、

 

「自分たちが楽しみつつ、周りの人々も心地いい」

 

というのが 『粋』 なんですよ音譜

 

みんなが粋な生き方を心がければ、素敵な大人の社会が実現しますよねニコニコ

 

でもね、この生き方は、新しい価値観なのではなく、

実は、江戸時代に日本文化が熟成された結果、

芸術作品のように出来上がった日本人の誇りであり、

美しい生き方なんです↑↑

 

詳しくお話すると長くなるので、今日は一つだけ具体的な事例を

ご紹介します。

 

江戸時代も、お金を借りた時には、当然 借用書を書くのですが、

 

これが欧米なら、

「期日はいついつで、それまでに返せなかった場合は、

利子がどういう計算になって、担保はこれで…」

というぐあいに、膨大な但し書きが加えられると思いますが、

 

なんと、江戸時代に交わされた但し書きは、

 

期日までに返せなかった場合は…

 

「お笑いくだされ」

 

というひとことだけなんです!!

 

これでトラブルにもならずに成り立っていた社会って、

素晴らしくないですか~?

 

ね?

 

信頼してお金を貸してくれた人を裏切るのは、『野暮』、

ひとさまに 『野暮天』 という烙印を押されたら、人間失格だから、自分のプライドにかけて、

 

「粋な生き方」

 

を理想とし、実践したんですね。

 

日本文化って、本当に素晴らしいですよ!!


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