”LIFE”

2015年度NHK全国放送コンクールにおいて優秀賞を受賞した、
田川中央中学校放送部の映像作品『LIFE』。

★“博多の歴女”白駒 妃登美が、日頃どんな思いで歴史の
エピソードや先人たちの生きざまを伝えているのか?

★大病をわずらい、命と向き合う中でたどりついた
“日本人の生き方”とは…?
これらが、約8分間の映像につまっています。

作ったのも中学生なら、
中で演じているのも、ほとんどが中学生。

坂本龍馬と西郷隆盛は学校の先生ですが、正岡子規の
迫真の演技は、野球部の男の子が演じてくれました。

このような作品を作り上げる今どきの中学生たちの
潜在能力の高さをとくとご覧ください♪

圧巻は、中学1年生に実施した道徳の授業風景。
みんなの命は、
この世の中でたった一つの、本当にかけがえのない、大切なもの。
でも、その大切な命に代えてでも守りたいものを、みんなは持っていますか?

戦後70年、日本では、どの家庭も、どの学校も、命が一番大事と
教えてきました。その結果、どうなったのか?
今、日本では交通事故で亡くなる人の何倍にも及ぶ方々が
自殺しています。他人の命を簡単に奪うような、凄惨な事件も
後を絶ちません。

命が一番大事と教えた結果、
皮肉にも、こんなにも命が軽んじられる社会が出来上がって
しまいました。きっとそれは、私たちが本当に薄っぺらい、
上っ面の言葉だけで「命が大事」と言い合ってきた、
そのツケがまわったのではないでしょうか。

本当に命を大切にしたければ、その大切な命に代えてでも
守りたいものを持つべきです。
それは、家族や友人といった、目に見える存在でもいいし、
自分の使命や誇りのような、目には見えないものでもいいと思います。

命に代えてでも守りたいぐらい、大切なものがあれば、
人はそのために命を使うんですから、どうでもいいことには
無駄死にできなくなります。

そして、ほかの人たちにも大切なもののために命を使わせてあげたい、
そんな思いが自然と湧き起こってくると思うんです。

つまり“命に代えてでも守りたい”と思えるぐらい大切なものを
持つことが、自分の命も、ひいては他者の命も慈しむことに繋がる。
でもみんなは、まだ12年、13年しか生きてないから、
そんな大切なものに気づけていないんじゃないかな。

これからの人生で、そういう大切なものに出会ってください。
気づいてください。きっと、その瞬間からみんなの命が本当に
輝き始めると思います。

そんな授業でした。

そのときの中学生たちの真剣な表情、キラキラ輝く瞳が、
映像に映っています。

大人が子どもとちゃんと向き合い、本当に大切なことを
伝えれば、子どもたちはこんなふうに受けて立ってくれるのです。

その子どもたちの持つ豊かな感性と無限の可能性を、
皆さまとご一緒に分かち合えたら嬉しいです(*^^*)